箱蓋表     箱蓋裏

平成19年3月1日更新!


絵画や墨蹟は、箱に通常保管されています。箱は表装と同様に、多くは傷みが生じた折廃棄、新調されます。従って、古くに遡る作であればあるほど、その作と同一時代の箱が残ることは稀です。例えば鎌倉時代の絵画があった時、それに付属する箱や表装までも同時代に遡る例は、殆ど無いと言って過言ではありません。
しかしながら、作と同時代ではないにせよ、古い箱が残される場合もあります。そして重要であることは、作のみからは判断できない情報がそこに盛り込まれている場合があることです。箱蓋の表面や裏面などに残された「箱書」です。画題や作者が残されていることが多いのですが、旧所蔵者について記されてあることもあり、作の歴史を知る上で貴重です。中には、何らかの理由で箱書が塗りつぶされている例もあり、特殊な背景が推測されます。
左の2画像は、隠山惟琰(1754〜1817)の書の箱です。左側は箱蓋表で画題と作者が記され、右側はその裏側で箱書を行った人物の名が記されています。箱書は経済学者で、禅画研究者、禅画家でもあった淡川康一(1902〜77)によります。
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